作品レビューについて
ここでは東野さんの作品の簡単なレビューを綴っています。レビューというか…あらすじに一言といった感じです。管理人は推理小説マニアではありません。完全に素人の感想です。レビューの他に、最高5点満点の点数を付けてます。またネタバレ含みますので、読み終えていない方はご注意下さい。
管理人より
読み終えた作品一覧
放課後|卒業|白馬山荘殺人事件|学生街の殺人|十字屋敷のピエロ|眠りの森|鳥人計画|ブルータスの心臓|宿命|仮面山荘殺人事件|美しき凶器|変身|分身|むかし僕が死んだ家|どちらかが彼女を殺した|悪意|探偵ガリレオ|秘密|私が彼を殺した|白夜行|嘘をもうひとつだけ|予知夢|レイクサイド|殺人の門|幻夜|さまよう刃|容疑者Xの献身|赤い指|使命と魂のリミット|ガリレオの苦悩|聖女の救済|新参者
更新日:2010/06/23
放課後 
概要は私立清華女子高校が舞台の学園モノ。生徒指導部の部長である村橋が青酸中毒で殺され、数学教師の前島が推理を繰り広げていく。犯行の動機は「恥ずかしい姿を見られたから」というもの。もっと直接的な動機だと予想していましたが、このような動機でも充分にありえる話ではないかと思いました。綿密な計画には恐怖すら感じますが…。最後の前島に起きる出来事で物語は終焉を迎えるのですが、その時に今まで妻に行ってきた事の反省や、殺人者を生まないようにする姿が切なくもあり、印象的なシーンでしたね。その後の彼は一体どうなったのでしょうか。
卒業 
加賀恭一郎の慧眼を初めて目の当たりにする作品。概要は加賀の大学生時代の友人である祥子が自室で死亡し、探偵役として加賀が推理を繰り広げる。大学生時代がなかった管理人でも「きっと、こんな雰囲気なんだろうなぁ」と想像を膨らませることができた。動機は単純なものだが、親友であろうとも簡単に裏切るなど、大人の階段を上っていく登場人物達を見守りたいという気持にもなったり。ちなみに4作目の「学生街の殺人」とリンクしており、こちらの舞台は「新学生街」。
白馬山荘殺人事件 
概要は原菜穂子の兄である公一が、ペンション「まざあ・ぐうす」で「マリア様が家に帰るのはいつか」というメッセージを残して死亡する。公一の亡くなった部屋が密室状態だということを理由に警察は自殺として処理。納得がいかない菜穂子は、親友である真琴の力を借りて推理を繰り広げていく。勘の鋭い方なら大木が殺されたあたりで犯人が分かってしまうかも。暗号の解読に関しては全く分かりませんでしたね。主人公の菜穂子は準主役である真琴にかなり喰われていたような。
学生街の殺人 
2作目の「卒業」とリンクしており、前作は新学生街での話であり、こちらは「旧学生街」でのお話し。加賀恭一郎がどこかに出てくるというおまけ付き。概要は旧学生街のビリヤード場で働く津村光平の職場の仲間である松木が殺され、光平が探偵さながらに推理を繰り広げる。この作品は評価が高い人もいれば、普通だと評価する人もいる。どの作品においても言えることなのですが。管理人としてはそれほど夢中に読み進めることが出来ませんした。人物描写が薄いというか…それとも自分とは相性が悪かったのか。内容がおもしろかっただけに残念。
十字屋敷のピエロ 
概要は竹宮家の長女・頼子が原因不明の自殺。その数ヵ月後に婿養子の夫である竹宮宗彦と、その秘書である三田理恵子が殺される。そして久しぶりに竹宮家に訪ねた次女・琴絵の娘である水穂が推理を繰り広げる。頼子が購入した人形「ピエロ」の目撃談も随所に出てくる。これはおもしろかった。犯人が全く分かりませんでしたね。登場人物の個性も強く、特に謎の人形師「悟浄真之介」が良い味を出しています。最後に明かされる真犯人には驚愕と恐怖を感じました。
眠りの森 
概要は高柳バレエ団の事務所で男が殺された。被疑者は団員である斎藤葉瑠子。葉瑠子は正当防衛だったことを主張するが、加賀恭一郎が捜査の中で不審な点に気付き推理を繰り広げる。推理小説であると共に、加賀恭一郎のラブストーリー的な要素も加えられている。最終的に加賀の惚れた女性が犯人で、「俺があなたを守ってみせる」という流れで物語は終焉を迎える。その後、彼女とはどうなったかは後の加賀シリーズで語られておらず、加賀恭一郎ファンとしては気になってしかたがない。今後の展開を期待します。
鳥人計画 
日本ジャンプ界の天才ジャンパー・楡井明が毒殺された。ほどなく警察はコーチ・峰岸貞男に容疑者を絞る。しかし、単純に見えた殺人事件の背後に隠された驚くべき内容が明らかになっていく。ジャンプ界には全く関心はなく、あまり興味を持てませんでしたが、東野圭吾さんの作品は完読せねば、ということで致し方なく手を出すことに。さすがは東野さん、無知な私でも楽しく読み進めることができました。飛距離を伸ばす方法などの詳しいデータもあったりして説得力もあります。楡井を死へと導いた杉江家の罪は大きい。
ブルータスの心臓 
概要は産業機器メーカーで人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也。将来を嘱望される彼はオーナー・仁科敏樹の末娘・星子の婿養子候補になるが、恋人・康子の妊娠を知り困惑する。しかし、康子は星子の腹違いの兄・直樹、評価の高い同僚の橋本とも関係があり、この二人にも妊娠の話を持ち出していた。そして直樹から共同で康子を殺害する計画を打ち明けられる…。死体が康子ではなく、直樹だった部分で背筋がぞっとしましたね。読むペースが一気に上がりました。幼いころから苦労して、社会的地位を得るために努力をしてきた拓也には同情しますが…。直樹の計画実行で留まればよかったものの、康子を自らの手で殺した時点で同情の余地はないですね。まぁ彼なら野望のために突き進むことは予め分かってはいるのですけどね。
秘密 
概要は杉田平介の妻・直子と娘・藻奈美が乗っていたスキーバスが転落事故に遭う。直子は亡くなり、藻奈美は植物状態の可能性が高いと医師から宣告される。奇跡的に目を覚ますが、精神は藻奈美ではなく直子だった。そして二人の奇妙な生活がスタートする。本作を読み終えた時には抑えようのない虚しさと切なさが襲ってきました。このような話は現実で起こるはずがない…と自分の気持ちを落ち着かせたり。直子の辛さは平介とは比べものにならないと思います。またいつか読みなおそう。
赤い指 
概要は前原昭夫の息子で中学生の直巳が、自宅で小学2年生の少女を殺害してしまう。息子に罪を被せまいと、昭夫と妻・八重子は隠蔽を企てて少女を公園に遺棄。刑事・加賀恭一郎の慧眼が前原家を追い詰める。このお話は結構短めなのですが、色々と考えさせられる心に残る作品でした。社会の高齢化における介護問題、家族の在り方についての問題なども交えており、若い世代の方にも読んでほしいと思います。事件以外にも、加賀の父・隆正の終焉についても書かれているので、加賀恭一郎ファンは見逃せません。「心の防波堤は壊れていた。」のシーンでは、管理人も耐えることができませんでした。